求人と採用の未来:注目すべき5つの傾向

現在の情勢(その多くは私たちには制御不能なパンデミックの力によって加速されたもの)によって、求人と採用のルールは変わりつつあります。企業はこれから 起こる人材獲得の戦いを勝ち抜くために、新しい手法に適応し活用していく必要があります。

まったく新しい視点で人材を考える

人員の真の力を引き出す

詳細のお問い合わせ

パンデミックはビジネスの世界に重大な変化を引き起こしました。 しかし、極めて大きな混乱にもかかわらず、企業は今もなお積極的に重要なポジションの採用を続けています。

最近の LHHのカンバセーション・シリーズ・ウェビナー で実施されたパルスサーベイでは、回答企業の75%が現在も採用を続けており、10%は2020年中に採用活動を再開する予定であることがわかりました。 当面採用を予定していないという回答はわずか8%でした。

現在の情勢(その多くは私たちには制御不能なパンデミックの力によって加速されたもの)によって、求人と採用のルールは変わりつつあります。企業はこれから起こる人材獲得の戦いに勝ち抜くために、新しい手法に適応し活用していく必要があります。

現在の環境: パンデミックにもかかわらず、企業は採用を継続

パンデミックのもっとも深刻な現実の1つは、企業によって受けた影響が異なるということです。 航空会社やホテルチェーンなどは自社の事業計画が崩壊するのを目の当たりにした一方、 オンライン小売業者やITプラットフォームなどはまったく予想もしなかったほど大きく急速に成長しています。

リストラや経費削減を強いられる企業がある一方で、規模を拡大する企業もありました。 この相違は人材戦略における大きな隔たりを生みました。

従業員を解雇や一時解雇しなければならなかった企業でも、今後のビジネスに不可欠な職務についてはこれからも採用が必要です。 しかし将来に対する懸念から、これらの企業は採用の決定に対して非常に慎重になりました。 その結果、採用通知を出すための承認を得るのが難しくなったり、採用の決断がいつまでも先延ばしされたりすることになりました。

その一方で、商品とサービスの需要の急増に直面している企業があり、そういった企業では今度はさらに人材を必要としています。 需要が急速に高まっているため、以前は数カ月かかっていた募集から採用までの過程を数週間で終える必要があると企業は感じています。

また、これらの中間に位置する企業もあります。 フルタイム勤務の採用はリスクがあると感じつつも、いくらかは前向きに採用してもよいと確信している企業です。これらの企業はますます契約社員に頼って急を要する労働力不足を埋めつつ、パンデミックの状況がどうなるか注意深くうかがっています。

優秀な人材を求める企業とよい仕事を求める人材の激しい競争は続く

現在の雇用市場は活発になっていますが、タレントマネジメントに根本的な変化が起こっているわけではないことは明らかです。 実際、優秀な人材とよい仕事の需要は依然として高い状態が続いています。

これまでと同様に、転職市場において需要の高い人材は、多数の企業からオファーを得ることができ、受諾するものを選別する必要があるでしょう。 それは企業にとってプレッシャーとなり、望ましい候補者を早急に決定し採用通知をしようとする傾向を強めるでしょう。 迷っている企業は出遅れて、最も採用したかった人材を獲得できずに終わることになります。

一方で、現在非常に多くの人が仕事を探しており、求人への応募数が今までになく多いことが企業に大きなプレッシャーを与えています。 パンデミック前は、1つの求人に対して平均100通の経歴書に目を通すのは珍しいことではありませんでした。しかし今は多くの企業で、1つの求人に対して300通、多ければ400通の経歴書が届いています。

このような多数の応募者の選考をしなくてはならないこと、しかも応募条件を満たしていないケースも多く、採用企業や応募者側に不満が生じるのも無理はありません。 経歴書の山を仕分けるのは、企業にとってかなりの負担となります。応募者のほうも、採用通知を得るまでに時間がかかることはもちろん、経歴書を受領したという連絡でさえいつもより長く待たなければならないので、ヤキモキしてしまいます。

新型コロナウイルス感染症の時代に合った採用プロセスを構築する

新型コロナウイルスの感染拡大以後、多くの企業がビジネス継続のために必要な業務をオンライン環境で行うことができるよう、適応を強いられました。ビデオ会議やクラウドでのファイル共有の導入は決して容易なことではないかもしれませんが、オンラインでの業務遂行能力が試されるのはそれらだけではありません。 今では外出制限が緩和されて、対面でのやり取りが許されている地域もありますが、人材獲得のための活動は深刻な影響を受けており、採用や入社時研修は今では主にオンラインで行われています。

直接会わずに人材の募集、評価、採用を行うということは、多くの採用担当者にとって大変な課題です。 しかし、オフィスにはほとんど人がおらず、出張も制限される今は、それが現実です。

この新しいオンライン環境での人材獲得に成功を収めようとしている企業は2種類に分かれます。 1つは、パンデミック以前からすでに、採用および入社時研修に非常に優れた手法を取り入れていた企業です。もう1つは、パンデミック前の手法を直ちに見直し、適応した企業です。

最近、LHHは、パンデミック以前からオンラインの入社時研修プログラムを作成していたカナダの会社のNumerisを特集しました。 広範囲にわたり、受賞経験もある入社時研修プログラム「100日の旅」のオンライン環境への完全な移行を容易に行えたのは、入社時研修のプログラムと資料がすでにデジタル化されていたからです。

入社時研修の主な内容が、社内を回って重要な人物に挨拶することであるような構造化されていないプログラムに頼っていた企業では、入社時研修をオンライン環境で行うためのプラットフォーム構築とプログラミングを短期間で行うことになりました。

パンデミックで明らかになった後継者育成計画の課題

入社時研修の場合と同じように、新型コロナウイルスの感染拡大前に、後継者育成計画を十分に進めることができていなかった企業では、経営幹部レベルの早期退職や入れ替わりがかつてないほど多くなったことで、窮地に立たされていると実感しています。

パンデミックをきっかけに、シニアリーダーたちは自分のキャリアを見直し、多くの人が職を辞して退職後の計画を前倒しすることを選択しています。 それによりエグゼクティブの求人が急増し、加えて企業は、重要なリーダーの交代に向けた計画を実行するか、さもなければリーダー陣のポストを空けたままにするというリスクを冒し将来に不安を持った従業員の退職といった事態を招くか、どちらを選択するか迫られています。

企業は変化していく世界についていくためにビジネスの転換を進めようとしており、そうした転換を推進する能力のあるリーダーは引く手あまたとなるでしょう。  

ダイバーシティとインクルージョンの重要性の高まり

パンデミックの最前線で、企業は急ぎ変革を進める必要性に直面しているだけにとどまりません。 それと同時に、企業は採用やビジネス活動においてダイバーシティとインクルージョンをさらに進めていくことがますます求められています。

以前より急速ではあるものの、ある意味これはパンデミックの前に確立されていた傾向が続いているとも言えるでしょう。 S&P 500の企業の半数以上がすでにダイバーシティとインクルージョンの担当役員を配置しています。 それらの企業の60%が直近3年以内に、そのようなポストを作ったり、担当役員を採用したりしています。

現在の採用におけるダイバーシティとインクルージョンの傾向は、2つの流れに分かれます。 1つは、ダイバーシティとインクルージョンのシニアリーダーをこれまで配置していなかったものの、この新しい職種を早急に採用しようとしている企業です。 もう1つは、以前からダイバーシティとインクルージョンの担当役員を配置していたものの、新しい視点とアプローチにより今後はより大きな進歩をしようとしている企業です。 いずれにしても、ダイバーシティとインクルージョンの専門家にとっては、新しい刺激的な仕事のチャンスを見つける良い機会です。

パンデミックによって企業の運営、従業員、必須スキル、求人と採用へのアプローチに大きな変革がもたらされました。企業は「ニューノーマル」に適応し、新たな未来を想像しながら進化し続ける中、人材の採用はあらゆる規模の企業や業界において常に最優先の関心事であり続けています。 企業の人材採用へのアプローチも進化することが不可欠です。 この機会に豊富な人材市場を活用している企業は、将来に向けて良い準備ができることでしょう。

 

Share this article