speed of transformation

「ワークフォーストランスフォーメーション」は「急激な変化」を伴うものでしょうか?

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企業がワークフォーストランスフォーメーションのような大規模な計画を構想するとき、それは確かに「急激な変化」を伴うものと考えるのが自然な発想であるように思えます。 社員は、これまでとは違ったタスクを、これまでと全く異なるやり方で進めるため、新しいスキルを習得する必要があります。こういった点を考えると、トランスフォーメーションは急激な変化なしには実現できないという感覚を持つのは至極当然のことです。

ただ、この「急激」という表現はワークフォーストランスフォーメーションの本質を正しく表していないのではないか、という指摘がチューリッヒで行われたLHH主催のディスカッションに参加した経営者の方々からありました。

本来ワークフォーストランスフォーメーションの計画には、雇用する人材の特性や保有するスキルを継続的に変化させていくという要素が含まれていることがほとんどです。絶えず変化を続けるビジネス環境や事業計画、戦略に合わせて、人材やスキルも徐々に変わっていく必要があるからです。

欧州のメディカルスパ運営会社Clinique La PrairieのCEOであるSimone Gibertoni氏によれば、ワークフォースに対して急激な変革が必要であること自体が、組織が大きく後れを取っている証拠です。 「急激な変革を必要としている組織は、すでに危険な状態にあります」(Gibertoni氏)。

Gibertoni 氏は続けて、ワークフォーストランスフォーメーションを成功させる秘訣は「毎日の小さな改善を積み重ね… 今日を昨日よりも良い状態にすべきという組織文化を浸透させること」と説明しています。

一方で、Gibertoni氏は、急激ではないトランスフォーメーションだからといって、決してのんびりとした緩慢な変化ではないことを指摘しています。 「急激ではなくとも、2倍速で動く組織が必要です」(Gibertoni氏)。 「その上で、ビジネスの最も重要な部分を改善することに注力し… 将来の成功をもたらす活動に集中することができる組織でなくてはなりません。 特にラグジュアリービジネスでは、将来のためのイノベーションと過去から受け継がれた伝統のバランスを取ることのできるリーダーが必要です。」

チューリッヒでのイベントに参加したパネリストは概ねGibertoni氏の主張に同調していましたが、状況によっては急激なトランスフォーメーションが残された唯一の選択肢となるケースもあり得ると考える人も中にはいました。

世界的な建築資材メーカーであるLafargeHolcimのOrganizational Excellence部門トップのFrank Waltmann氏は、深刻な業績悪化により組織の存続が危ぶまれる状況に対処すべく、新たなCEOを迎え入れた、前職での体験を紹介しました。 同氏によれば、そのCEOは状況の深刻度を評価した結果、迅速かつ急激なトランスフォーメーションを選択したそうです。

このアプローチは、会社の危機的な状況を考えると必要なことだったのでしょうが、それでも社員の多くにとっては困難な体験でした。 「この会社の社員にとって、急激なトランスフォーメーションは原子爆弾が爆発するようなものでした」とWaltmann 氏は語っています。 「問題が深刻であったため、強い切迫感がありました。社員たちは、待ち受けるあいまいな状況に毅然と立ち向かうことのできるリーダーを必要としていましたが、これまでリーダーたちはそのような行動を取ってきませんでした。 結果として、リーダーの多くが会社を去りました。」

パネリスト全員が同じ意見だったのは、トランスフォーメーションの道のりに同じものは2つとないこと、そしてトランスフォーメーションを成功させるカギは変革を主導できるリーダーシップの存在にあるということでした。 PwC のグローバルアドバイザリービジネスのパートナーであるSarah Kane氏は、トランスフォーメーションの取り組みの中にイノベーションを組み込むことが、リーダーにとって特に重要であると語っています。 変化の中にあっても目標に向かって前進し、新しいことに挑戦できる文化を生み出す作業は、ワークフォーストランスフォーメーションに取り組むあらゆる組織を支援する上で不可欠です。 「失敗を許容する環境が必要です。ただし失敗するなら早く失敗しなければなりません。」(Kane氏)。

トランスフォーメーションの最前線から得られた4つの重要な教訓

トランスフォーメーションは急激である必要があるか否かについての議論は、チューリッヒでのイベントで取り上げられた数多くの話題の1つでしかありませんでした。 パネリストたちは、トランスフォーメーションの最前線から学んだ4つの重要な教訓についても共有しました。

  1. KPIの数は3つか4つに限定する。 多くの企業は、トランスフォーメーションの成否を判定する評価指標を数多く設けようと検討を重ねます。しかしこれは大抵の場合、混乱、時間の浪費、そして失敗につながります。 少数の重要な評価指標のみに集中し、先へ進むべきです。

     

  2. ミドルマネージャーを無視してはならない。 トランスフォーメーションのプロジェクトでは多くの場合、シニアリーダーを確実に関与させることに重点が置かれます。これは、そもそもシニアリーダーに変化を先導する責任があるからです。その一方で、 組織において日々の業務の中枢を担うミドルマネージャーには十分な支援がなされない傾向があります。 するとミドルマネージャーはトランスフォーメーションによって自分の地位が脅かされると感じ、大きな問題になる可能性があります。 この重要な管理者層がトランスフォーメーションに前向きに参加できるよう、時間と労力をかけて支援するべきです。

     

  3. 組織の新しい未来を大胆に想像でき、変革を主導できるリーダーを育成する。 変革を主導できるリーダーは、明確なビジョンを持ち、組織を1つにまとめ、社員が変化を積極的に進めるよう動機付けることが求められます。 変革を主導できるリーダーは、あいまいな状況を受け入れ、計算されたリスクを受けることを恐れません。

     

  4. イノベーションを生き残りに不可欠なものと考える。 組織が成長するためには、新しいテクノロジーの導入、新しいソリューションの開発、魅力的なカスタマー・エクスペリエンスの創出など、イノベーションを実現できなくてはなりません。 リーダーは、業界の動向を正確に把握し、新しいアイデアを考え試すことのできる組織文化を作っていかなければなりません。

企業を取り巻く環境はもはや「今までと同じ」ことを続けるだけでは生き残ることができない状況にある、という点についてパネリスト全員が同意しました。リーダーは、過去に有効であった手法から前進し、未来に向けて変革を主導するスキルを身につけなければなりません。

 

 

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