Successful merger and acquisition

CHROの視点: Walgreens Boots Allianceにおける変革の最前線

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多くの企業がM&Aで失敗している中で、なぜWalgreens Boots Allianceはあれほど大きな成功を収めることが出来ているのか、という質問をするとTom Sondergeld氏は笑みを浮かべました。

 

M&Aに関わる多くの企業は、プロセスの終盤になって初めて人事部門が関与しています。だから混乱に陥るのです」 Walgreens Boots Alliance, Global Benefits and MobilityのバイスプレジデントSondergeld氏はこのように語りました。 「当社では、人事部門を含む一体的なチームでM&Aのプロセスを開始します。 私たち人事はポリシー、組織カルチャー、テクノロジーに関して信頼を得ており、これらの議論に必ず参加しています。あらゆるM&Aにおいて人事部門は重要な役割を担うのだと常に認識されています。」

 

Walgreens Boots Allianceは、グローバル小売業界の大手企業であり、25か国に415,000人の社員を擁し、収益は1,310億米ドルを超えています。 2018年には、General Electric社に代わってダウ・ジョーンズ工業株価指数の構成銘柄に選ばれました。

 

また同社は、一連のM&Aを経て拡大してきた他の小売チェーンに対して、M&Aを行うことで成長してきた企業でもあります。

 

Walgreensは、薬局およびコンビニのチェーンであるDuane Reade2010年に10億ドルで買収したのをはじめとした一連の企業買収の結果、米国最大の医薬品販売会社になりました。 2014年には、スイスを拠点とするAlliance Bootsの買収を完了し、同業種では世界最大規模の企業になりました。 企業買収による同社の成長は2017年も続き、全米各地に2,500以上の店舗を運営するFortune 100 企業のRite Aidを買収しました。 同時に、Walgreens Boots Allianceは医薬品卸売などの分野に事業を拡大し、11万以上の薬局、医療センター、病院に対して、医薬品、医療用品その他の医療用製品を提供しています。

 

Sondergeld氏が語るところによると、小売産業が大きな変化を経験した中にあっても、同族企業である同社は、成長を続けながらも会社のコアバリューを維持してきました。 このコアバリューの中には、大規模なM&Aや変革が社員に与える影響を見極めること、そして変化を受け入れることが含まれています。

 

「幸いなことに、当社は常に変革を求めるリーダーがいました」とSondergeld氏は言います。 「Walgreensは、110年も続く企業であり、今も同族経営です。 しかし創業以来変わることなく、当社のトップは常に変革への意欲を持ち続けてきました。」

 

M&Aによって構築された企業は、絶えず組織のカルチャーに目を配り、意思決定された内容が店舗レベルの最前線にまで効果的に周知されるようにしなければならないとSondergeld氏は語っています。 ビジネスに対するアプローチが異なり、また違った強みと弱みを持つ企業が合併する場合、それは決して容易なことではありません。

 

Walgreens Boots Alliance の合併の際には、合併する3つの組織が異なる特徴を持っていることが早い段階で明らかになりました。 「Walgreensは薬局ビジネスにとても強く、その一方でBootsは小売に優れた手腕を発揮していました。 両社の共通点は、どちらも同族企業であり、街角の店舗をビジネスの基盤としていたことです。 Allianceは2社とはカルチャーに大きな違いがあり、3つの組織が同じ方向を向いて事業を進めていけるようになるまでにはかなりの時間がかかりました。」

 

カルチャーの融合は確かに組織トップの責任ですが、組織全体に渡ってコミュニケーションを確実に行う上で、人事部門は大きな役割を果たすことができます。 その一方で、各店舗が自主的に課題に取り組み合理的な解決策を見つけることができるよう、店舗に対し一定の裁量を与えることも推進しているとSondergeld氏は述べました。

 

Sondergeld氏は、テキサス州にある店舗のストアマネージャーが、暗証番号でロックされたドアの向こう側にある公衆トイレにお客様を案内するためにスタッフが時間をとられているという問題について言及したことを思い出していました。 社内のルールによると、スタッフはお客様に暗証番号を教えることができないため、トイレを利用するお客様ひとりひとりに付き添ってドアを開けていました。最終的にこの店舗はドアを撤去して、お客様が自由にトイレを利用できるようにするための許可を申請しました。

 

「これはちょっとした変更に過ぎませんが、ドアを撤去した瞬間、スタッフはお客様をトイレに案内するという負担から解放されたのです」(Sondergeld氏)。 「さらにこの事例において、変化は必ずしもトップからもたらされるものではない、という事を全員が実感する事ができました。」

 

入社から8年近い間、複数の大きなM&A取引において重要な責務を果たしたSondergeld氏は、異なる企業文化とワークフォースの統合を、企業がどのように成功させるか多くの大切な教訓を学んだと語っています。

 

すべてのM&Aにおいて、プロセスの初期段階から人事部門の見解を聞くこと。 Sondergeld氏は、企業文化と社員のシームレスな統合を確実に実行する唯一の方法は、M&A検討の議論の初期段階から人事部門トップの見解を聞くことであると語っています。人事が議論の場にいなければ、組織のリーダーは、この種の取引において生じる問題に備えて十分な計画を立てることができません。

 

人事部門の役割の比重を、事務処理から、より戦略的なものへと移すこと。あまりに多くの人事部門の社員が、福利厚生や各種制度の仕組みや詳細に力を注ぎがちです。 確かにそれらは重要ですが、戦略的思考がなければ、人事部門はM&Aの計画に貢献できないとSondergeld氏は指摘しています。 「長期的、戦略的に考え、M&A が人的資本に与える影響を全員が理解できるようにする必要があります。」

 

リーダーが意思決定した内容を周知し、全社員へ十分なコミュニケーションを取るためには、アジリティ(速度)が重要な要素となる。「社員は大規模なM&Aの際には必ず不安を抱えることとなります。その不安を取り除く唯一の方法は、組織全体へ明確かつ迅速に情報を共有できるよう、コミュニケーションを取ることです」Sondergeld氏は語っています。 「これは、一般にアジリティがあるとは言えない人事部門にとって難しい課題です。 人事部門は、早急にポリシーやルールを構築し展開する術を習得せねばなりません。」

 

データの活用と新しいことへの挑戦を推進する。 人事部門は従来、イノベーションが苦手で、意思決定にデータを活用しない傾向があった職種であるとSondergeld氏は語っています。 M&Aを行う環境下では、この点は変えていかなければなりません。 「私たちは、自分たちのことをデータの専門家だとは思わず、人の専門家だと考える節があります」(Sondergeld氏)。 「しかし、望ましい方向へ組織を導いていくためには、意思決定や主張を裏付けるためにデータを活用することに慣れる必要があります。」

 

最終的には、あらゆるM&Aにおいて課題となるのは、どのような企業文化が望ましいか特定し、その企業文化を浸透させるべく組織に迅速かつ決断力を持ってコミュニケーションを取り、そしてそれらを進める中で必要に応じて軌道修正することです。

 

「私たちの成功の大きな要因は、他の組織よりもはるかに速く、グローバル共通のポリシーを作成し、導入するという事にあります。」(Sondergeld氏)。 「これらは、企業文化を形作るためのポリシーです。必要に応じて修正をしたり拡大したりということはしますが、何を実現したいかということがいつも明確であるようにしています。これが非常に重要です。」

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