strong workforce

次の景気後退がこれまでとは異なる理由

Name 記事 5 min

strong workforce

次の景気後退を迎える準備はできていますか?

 

欧州からアジアと南北アメリカまで(とその間にあるすべての大陸と地域で)、誰もが口にする言葉は「景気後退」です。次の大規模な世界規模での景気下降局面についての懸念は、ほぼすべての法域における政策と財務政策に反映されていることがわかります。

 

米国では、連邦準備制度理事会が中断なしで過去最長となった経済成長の終わりが差し迫っているという懸念から、先手を打って金利引き下げを実施しました。一方、トランプ政権は景気を刺激するために給与税引き下げの可能性を模索しています。

 

欧州では、2019年第2四半期にマイナス成長となり景気後退の瀬戸際にあるドイツが注目を集めています。長きにわたり欧州連合を牽引する経済的原動力と考えられてきたドイツの景気後退は、英国のブレグジットに関する先行き不透明感とともに、欧州経済の破綻を意味する可能性もあります。

 

中国も、不確実性の高い経済水域を漂流しています。中国は最近、輸出振興策として過去最大の通貨切り下げを容認しました。しかしトレーダーやエコノミストは、中国の通貨政策は、それ自体が景気後退につながりかねない世界的規模での通貨戦争を引き起こす恐れがあると懸念しています。

 

さて、景気後退を予測するのは極めて困難であると言わざるを得ません。世界で最も優れた実績を挙げている統計学者の1人であるNate Silver氏は、2012年の著書The Signal and the Noiseにおいて、景気後退を事前に正確に予測した人物はいないと述べています。実際に、エコノミストは景気後退が始まった後でさえその形跡を見落とすことが少なくありません。そうした事情は、十分な情報を得ている数多くの情報筋がとても悲観的な予測を行っている理由を部分的に説明しています。景気後退が来ると絶対的に確信している人は誰もいませんが、誰もが今回は不意打ちされたくないと考えています。

 

あらゆる規模の企業の雇用主にとって、景気後退をめぐる最近の議論は、別々ではあるが関連性のある2つの懸念を強調しています。

 

第一に、雇用主は、景気下降局面が到来する前に計画を用意しなければならないことを理解する必要があります。世界規模で本格的な景気後退が始まるまで待っていたら、組織と社員を守るにはすでに遅すぎます。

 

そして第二に、その計画を準備するときは、次の景気後退が前回とは根本的に異なるものになることへの理解が不可欠です。次の景気後退において、雇用主は、ワークフォースの管理にこれまでとは抜本的に異なるアプローチを採用せざるを得なくなります。

 

単純に社員数を削減し、景気後退が終わってからワークフォースを再構築することを期待することはできません。

 

いわゆるグレートリセッションの影響が本格化したとき、雇用主は通常どおりの対策を実行しました。コスト削減のためにスタッフのレイオフに着手したのです。米国だけでも、2008年に260万人が職を失いました。 2010年には、その数は870万人に増加しました。

 

過去の景気後退では、雇用主は景気が悪くなると社員数を削減し、景気が上向くと再びスタッフを雇用しました。しかしながら今回は、事情が異なっていました。

 

レイオフを実施した多くの組織は、景気が回復したときに素早く動けない状態に置かれていました。そうした組織は突然、熟練労働者の不足に見舞われ、景気後退前のレベルに戻ることができませんでした。それよりも大きな懸念は、レイオフを実施した組織の多くが、素早くスタッフをレイオフしたことで雇用主のブランドに甚大なダメージを受けたことです。この戦略では、景気後退後の市場で最も優秀な人材を引き付ける際に困難に直面しました。

 

雇用主は、次の景気後退に直面してワークフォースに関する意思決定を行う際に、こうした長期トレンドのすべてを念頭に置いておく必要があります。

 

雇用主は戦略性を高めてダウンサイジングの誘惑に耐えなければなりません。

 

前回の景気後退では、いち早く社員をレイオフした組織が俊敏性と対応の早さを理由に称賛されました。ただし、その後は労働市場が大きく変化し、雇用削減を急ぎすぎるとメリットよりもデメリットのほうが大きくなる可能性があります。

 

次の景気後退では、「勝者」となるのは社員数に関して思慮深い戦略的な意思決定を行うことができる企業です。そうした組織は、社員が持つスキル、現在占めている役割、将来どのように貢献できるかを理解するために詳細な評価を実施します。「勝者」となる組織は、真に優秀な人材をレイオフせざるを得ない事態を避けるために、可能な場合は必ず再配置と学習を利用します。

 

前回の景気後退によって、社員の間ではエンゲージメント低下が慢性的な状態となっています。

 

10年前に職を失わず、同じか少ない給料でより多くの仕事をすることを求められた社員は、大きなストレスを抱えることになり、その体験は満足とはほど遠いものでした。その結果、社員エクスペリエンスのあらゆる側面に多額の投資をしたにもかかわらず、はるかに多くのスタッフが仕事への意欲を慢性的に失っています。実際に、Gallupのような情報源によれば、米国の労働者の3分の2近くが仕事への参加意欲を失ったままです。この数字は、Gallup が20年前に米国の労働者の間で仕事への参加意欲のレベルを調査しはじめたときから変わっていません。

 

景気後退が起きているか否かを問わず、雇用主は、社員が評価されていると感じるよう確実を期すとともに、能力を開発してプロフェッショナルとしての目標、個人の目標、組織の目標を実現する機会を提供すべきです。熟練労働者がこれほど貴重になっている労働市場では、これは特に重要です。

 

次の景気後退が起きている間は技能再教育/スキルアップの重要性が大きく高まります。

 

熟練労働者の不足を受けて、変革と競争に必要なスキルを持つ人材を見つけるカギは技能再教育/スキルアップにあると主張する人々が増えています。しかしながら、技能再教育/スキルアップに関して私たちが入手可能なすべてのデータによれば、雇用主はそれらの重要性を認識している一方でこの領域では十分な努力をしていないことがわかっています。

 

次の景気後退では、可能な限り多くの職を守ろうと努力するだけでは十分ではないという事実を思い出すことが重要です。雇用主は、俊敏性と順応性が高く、新しい役割の新しいスキルを学習できるワークフォースをつくり出さなければなりません。

 

組織と社員を守るためにできる最も重要なことの1つは、過去の経験から学ぶことです。 2008年の景気後退は、私たちの多くにとって、これまで遭遇したなかで最も困難な出来事の1つでした。次の景気後退は、それと同様に困難なものになる可能性があります。

 

貴社は、そのような困難な状況への準備はできていますか?過去の景気後退から学び、新しいワークフォース戦略を採用する準備はできていますか?

 

これらの質問のすべてに「はい」と回答できない場合は、次の景気後退局面が始まったときに準備ができていないことになります。

当社は、新しい仕事またはキャリアをすぐに見つけるお手伝いをします。
 
当社では、世界中で3千万人以上の人々に新しい仕事を探す際の支援を行ってきました。 関連業界での多数の仕事、7,000を超える雇用主や採用担当者とのつながり、3,000名を超えるキャリアコーチなど、当社には、新たな仕事やキャリアパスを希望通りに見つけるために必要なものが、すべて揃っています。

登録する IDを使って登録する

Career Resource Network®にログインこちらから