中途採用しやすい時期はいつ? 公的データで見る月別動向
#中途採用 #時期
中途採用をいつ実施するかは、採用しやすさを左右する重要な検討事項です。「求職者が多く動くのはいつなのか」「競合が増える時期を避けるべきか」と、募集のタイミングに悩む採用担当者は少なくありません。求職者の動きには、公的データで確認できる季節的な傾向があります。この記事では、厚生労働省の統計をもとに、新規求職申込件数と有効求職者数で見る月別の動き、そして時期をふまえた採用戦略の考え方までを整理します。まずは求職者が動く時期の全体像を、データで押さえておきましょう。
以降、本記事で紹介する全てのデータは、厚生労働省発表のものを参照しております。
参照元:厚生労働省「一般職業紹介状況(職業安定業務統計)」第5表・第7表(パートタイムを含む一般)2021〜2025年の月別実数の平均をもとに作成
https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?toukei=00450222&tstat=000001020327
目次
中途採用しやすいのは新たに動く求職者が最も多い4月、次いで1月と3月
結論から示すと、新たに転職活動を始める求職者が最も多いのは4月です。次いで、1月と3月にも動きが増えます。厚生労働省の統計で、その月に新たに求職を申し込んだ件数を示す新規求職申込件数を見ると、直近5年の月別平均では、4月が約52万件と年間で突出して多く、これに3月(約41万件)と1月(約40万件)が続きます。
新たに動き出す求職者が多い時期は、企業にとって母集団を形成しやすい時期にあたります。これらの時期を押さえておくことは、採用計画を立てるうえでの起点になります。なお、ここで示す数値は調査時点のものであり、景気や労働市場の状況によって変動する点は念頭に置いておく必要があります。求職者が動く時期を把握する意味は、単に「いつ人が多いか」を知ることだけではありません。求職者の動きが活発になる時期は、同時に採用を強化する企業も増えるため、競合環境まで含めて計画に織り込むことが重要です。以降では、新規求職申込件数と有効求職者数という2つの指標から、月別の動きをより詳しく見ていきます。
新規求職申込件数で見る求職者が動く時期
新規求職申込件数は、その月に新たに転職活動を始めた人の多さを示す指標です。この数値が多い時期ほど、企業は新たに動き出した求職者と出会いやすく、母集団を作りやすいと言えます。ここからは、直近5年の月別平均をもとに、動きが増える時期を具体的に見ていきます。
新たに動く人が最も多い4月
新規求職申込件数は、4月に約52万件と、年間で突出して多くなります。
年度替わりのタイミングで、キャリアを見直して一斉に動き出す層が大きいことが背景にあります。新たに動く人が最も多いこの時期は、複数名の採用を目指す場合や、幅広い母集団を形成したい場合に向いています。求職者の数が多いぶん、多様な人材と出会える可能性が高まります。他の月と比べても4月の突出ぶりは際立っており、たとえば最も少ない12月(約30万件)と比べると、約22万件の差があります。年間で採用計画を組む際は、この4月の山をどう生かすかが1つの軸になります。ただし、後述するように、この時期は競合企業の動きも活発になるため、求職者の多さをそのまま採用数に結びつけるには、事前の準備が欠かせません。
年明けと年度末に動きが増える1月と3月
4月に次いで動きが増えるのが、1月(約40万件)と3月(約41万件)です。
年明けに動きが増える背景には、年末年始の休暇が転職活動のきっかけになりやすいことがあります。休暇中に親族や友人と会って将来について話す中で、キャリアを見直す人が少なくありません。また、休暇を利用して履歴書や職務経歴書の準備を進める人もいます。3月は、4月入社を見据えて動く層が活動を本格化させる時期にあたります。年明けから年度末にかけては、次年度に向けて動き出す求職者を捉えやすい時期と言えるでしょう。採用側から見ると、1月に動き出した求職者が選考を経て入社に至るまでには一定の期間がかかるため、4月入社を狙うのであれば、1月から3月にかけての動きに合わせて選考を進める設計が現実的です。年明けの早い段階から求人を出しておくことで、意欲的に動き始めた層を早期に捉えられます。
賞与後に動く層を狙える夏場
夏の賞与を受け取ってから転職を考える層も一定数います。ただし、新規求職申込件数の総数で見ると、6〜7月は年間の中では中位以下にとどまります(直近5年の月別平均で6月が約36万件、7月が約35万件)。
つまり、夏場は求職者の総数が大きく増える時期ではありません。過大な期待をせず、賞与を区切りに動く特定の層を狙う時期と位置づけると、実態に合った計画を立てられます。数は多くないものの、こうした層をねらって求人を出しておくことには一定の意味があります。
有効求職者数で見る市場の厚みと薄さ
新規求職申込件数がその月に新たに動いた人の数を示すのに対し、有効求職者数は、登録中で職を探している人の総数を示す指標です。いわば、その時点で採用活動の対象となる人材プールの厚みを表します。新たな動きとあわせて見ることで、母集団を確保しやすい時期がより立体的に見えてきます。
人材プールが最も厚い4〜5月
有効求職者数は、4〜5月に約200万人台でピークを迎えます(直近5年の月別平均で4月が約204万人、5月が約205万人)。
新たに動く人が最も多い4月と、人材プールが最も厚くなる4〜5月は重なります。この時期は、新規の動きと市場全体の厚みの両面から、母集団を確保しやすいタイミングだと言えます。幅広い層にアプローチしたい採用では、特に狙い目となる時期です。
新たな動きも人材プールも薄くなる12月
逆に、新規求職申込件数と有効求職者数がともに年間で最も少なくなるのが12月です(直近5年の月別平均で新規求職申込件数が約30万件、有効求職者数が約179万人)。
年末は、新たに動き出す人も、市場全体で職を探している人も薄くなります。母集団を作りにくい時期であり、幅広い採用には不向きです。この時期に採用を進める場合は、後述するように、競合が少ないという別の側面を生かす発想が求められます。
時期をふまえた採用戦略
データで見た動きの厚い時期と薄い時期は、そのまま自社の採用計画に生かせます。
動きが厚い時期は前倒しで準備する
求職者の動きが厚い時期は、それだけ競合となる企業の求人も増えます。求職者が多くても、自社の求人が埋もれてしまっては応募につながりません。4月のピークを狙うのであれば、その前の段階で求人票を整え、選考体制を組んでおくことが重要です。応募が来てから対応を始めるのではなく、ピークに間に合うよう逆算してスケジュールを立てましょう。求人内容の見直しや、応募への迅速な対応体制の準備を前倒しで進めておくと、動きの厚い時期を最大限に生かせます。
動きが薄い時期は競合の少なさを生かす
新たな動きが少ない時期は、裏を返せば、競合となる求人も減る時期です。求職者の総数は少なくても、そのぶん自社の求人が埋もれにくくなります。また、この時期に活動している求職者は、転職意欲が高い層である傾向があります。母集団の規模より、一人ひとりとの出会いの質を重視する採用であれば、あえて閑散期を狙う戦略も有効です。競合が少ない時期に、ターゲットを絞った求人を丁寧に届けることで、意欲の高い人材と出会える可能性が高まります。たとえば、専門性の高いポジションや、少数の即戦力を求める採用では、必ずしも母集団の大きさが成果に直結するわけではありません。むしろ、応募者一人ひとりにじっくり向き合える閑散期のほうが、丁寧な見極めと魅力づけを行いやすい面もあります。時期ごとの特性を理解したうえで、自社の採用の目的に合わせて使い分けることが大切です。
採用時期の設計はLHHの採用支援サービスにお任せ
求職者が動く繁忙期と、競合が少ない閑散期には、それぞれ異なるねらいがあります。自社に最適な募集時期とスケジュールを、単独で見極めるのは簡単ではありません。LHHの採用支援サービスでは、求める人材の要件と採用計画をふまえ、動き出すべき時期から逆算した採用設計まで、コンサルタントと一緒に組み立てられます。データに基づいて時期を判断し、準備を整えたうえで採用に臨めます。採用時期の設計に迷いがあるなら、まずは問い合わせて相談するところから始めてみるとよいでしょう。
まとめ
採用されやすい時期は、新たに動く求職者が最も多い4月、次いで1月と3月です。有効求職者数で見ると4〜5月に人材プールが最も厚くなり、12月は新たな動きも市場の厚みも薄くなります。動きが厚い時期は競合も増えるため、ピーク前に求人票や選考体制を整えて前倒しで準備することが有効です。一方、動きが薄い時期は競合の少なさを生かし、意欲の高い求職者と出会う戦略も考えられます。時期と準備を逆算することが、母集団の確保につながります。採用時期の設計に迷ったら、LHHの採用支援サービスへの相談を検討するとよいでしょう。
